千葉大学亥鼻キャンパスに医学系総合研究棟が完成
2021年4月、教育研究活動の効率化と一層の発展を目指し、千葉大学亥鼻キャンパスに医学系総合研究棟(治療学研究棟)が完成しました。千葉大学医学部はこの新棟を拠点とし、次世代の医学・治療を担う「治療学」の創成と医療人の育成を進めていきます。
設備を充実しより質の高い教育研究活動を確保
千葉大学医学部は、1874年に千葉町に設立された共立病院が、県立千葉医学校・附属病院、第一高等学校医学部、千葉医学専門学校、千葉医科大学と変遷を経て、1949年に設置されました。これまで使用していた施設は建築から 84年が経過し、老朽化が進むなか、今後、医学部がより一層発展し、次世代の医学・治療を担う「治療学」の創成を進めていくため、新棟の建設が決定しました。
医学系総合研究棟の概要
本施設事業は、グローバル化に対応した次世代の多様なニーズに応える医療人を総合的に育成するため、教育研究基盤の構築と未来の医療を担う治療学研究拠点を創成する施設建設を目指しました。
完成した 11階建て 40,000㎡の新棟は、研究領域が異なる研究者間の交流とコミュニケーションを引き出すため、建物の端部まで人と人とが視覚的につながり、明るく開放感のある施設となりました。
1階から4階に講義室、実習室、グループ学習室、福利厚生施設等が、5階から11階には基礎系・臨床系の研究室や実験室、プロジェクト研究スペース等が配置されます。また、附属病院との間に連絡通路を設け、接続させることで一層の機能連携の強化を図ります。
建物の外観は、千葉大学医学部の歴史と先進性を表すデザインを採用しました。低層部の外壁は、旧医学部本館のタイル色と風合いを再現、歴史の継承と重厚感を表し、高層部は白系統色を基調とした縦ラインのデザインにより先進性を表しています。
South | North | |||
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内分泌代謝・血液・老年内科学 国際アレルギー粘膜免疫学 疾患システム医学 |
プロジェクト研究スペース | 11 | 免疫発生学 免疫細胞医学 |
腎臓内科学 小児病態学 |
細胞分子医学 イノベーション再生医学 |
アレルギー・臨床免疫学 疾患生命医学 |
10 | 代謝生理学 イノベーション医学 実験免疫学 |
発生再生医学 分子ウイルス学 |
環境労働衛生学 公衆衛生学 画像診断・放射線腫瘍学 |
プロジェクト研究スペース | 9 | 分子腫瘍学 腫瘍病理学 |
耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 口腔科学 |
分子病態解析学 小児外科学 |
形成外科学 救急集中治療医学 |
8 | 病原細菌制御学 診断病理学 |
皮膚科学 泌尿器科学 |
機能ゲノム学 感染生体防御学 生命情報科学 |
認知行動生理学 呼吸器病態外科学 |
7 | 薬理学 心臓血管外科学 |
皮膚科学 泌尿器科学 |
病態病理学 臨床研究・治療評価学 和漢診療学 |
消化器内科学 プロジェクト研究スペース |
6 | 遺伝子生化学 脳神経内科学 |
臓器制御外科学 先端応用外科学 |
社会精神保健教育研究センター 人工知能(AI)医学 |
整形外科学 脳神経外科学 |
5 | 精神医学 眼科学 |
麻酔科学 生殖医学 |
亥鼻地区事務部 | 4 | 亥鼻地区事務部 未来医療教育研究機構 医学研究院長・医学部長室 |
セミナー室 会議室 |
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第1講義室 保健室 白菊会室 |
第3講義室 大学院多目的スペース |
3 | 医学教育学 医教育研究室 亥鼻地区事務部 |
第2講義室 第1実習室 |
第3実習室 臨床腫瘍学 |
法医学 法医学教育研究センター プロジェクト研究スペース |
2 | 多目的IT室 第2実習室 環境生命学 |
薬物治療学 機能形態学 予防医学センター |
RI室 クリニカルアナトミーラボ |
1 | 防災センター 解剖実習室 法医解剖室 |
今後の展望
千葉大学医学部では、難治性の疾患を治癒や QOL改善に導き、患者目線での医療を届けることを目的とした『治療学』研究を目指す研究医と、最新の治療法を高い倫理観と患者さんを思いやる心を持って届けることのできる優れた臨床医の双方の育成を行っています。今まで以上の研究環境を確保することで、基礎医学と臨床医学を基に最先端の基礎研究の成果を新しい治療法の開発に結びつけ、教育研究活動の効率化と飛躍的な発展、および革新的な研究の創出が期待されます。