研究紹介・研究成果

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29Jul2022

ビッグデータが明らかにする敗血症の医療経済―費用対効果から見る医療財源利用の適正化―

 千葉大学大学院医学研究院 中田孝明教授、医学部附属病院 大網毅彦助教らは、2010年~2017年の8年間にわたる5,000万人以上の日本の入院患者のデータから敗血症患者を抽出し、医療費の年次推移や費用の増減に関わる因子を初めて明らかにしました。このデータは、日本独自の診療報酬の包括評価制度であるDiagnosis Procedure Combination (DPC)の保険請求に基づくデータベースを利用して抽出したものです。  本研究により、日本における敗血症患者の医療費は年々増加傾向である一方、敗血症診療における費用対効果は改善傾向にあることがわかりました。敗血症となるリスクが高い高齢者の割合は今後も増えることが予想されており、超高齢社会である日本において敗血症診療に必要な医療費は将来的に増加していくことが推測されます。今回の研究結果をもとに、医療財源利用の適正化を促進するために適切な医療資源の分配や診療の質向上などにつながる戦略を立てていくことが重要であると考えられます。  本研究成果は、集中治療医学の専門誌Journal of Intensive Careに2022年7月14日に掲載されました。

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